2019年8月中旬、以前より憧れていた北海道空知地方の炭鉱遺産めぐりを実現することが出来ました。
富士山静岡空港発、札幌丘珠空港からレンタカーを借りての夫婦旅です。
4泊5日という限られた日程なので、空知地方全ての炭鉱関連施設を巡る事は出来ませんでしたが、個人的には充実した内容だったと思います。
今回は旅行初日に向かった赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設と宿泊先の「グリーンパークしんとつかわ」について書き留めてみました。
新型コロナウイルスによる自粛生活によって、過去の旅行が改めて貴重かつ愛おしく感じます。長編かつコロナ前の旅行記ですが、再び気兼ねなく旅行が出来る日の参考になればと思います。
炭鉱遺産めぐり1日目のルート
北海道旅行1日目のルートは以下の通りです。
A:札幌丘珠空港
B:赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設(旧住友赤平炭鉱立坑櫓)
C:自走枠整備工場
D:グリーンパークしんとつかわ
札幌丘珠空港からは、オリックスレンタカーを利用しました。
B、Cは立ち寄った場所で、Dは宿泊先となります。
内部見学可能な旧住友赤平炭鉱立坑櫓は最初に見ておきたく、初めての炭鉱遺産めぐりは赤平市から攻めていくことにしました。
静岡から行く赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設
赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設では、開館日の午前(10:00)と午後(13:30)に、有料(800円)で立坑内のガイド付き見学が行われております。
ガイダンス施設の休館日は基本的に月・火曜日ですが、私達が出掛けた週は火・水休みだったため、月曜午後の見学を逃すと旅行中に見学できるチャンスはなく。
今回利用した札幌丘珠空港から赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設は、高速利用で1時間15分程かかります。
飛行機が定刻より少しばかり早く到着し、空港近くのレンタカー屋さんを11:30に出発できたので間に合いましたが、仮に飛行機が遅れたり、お店でゆっくり食事などをしていると見学に間に合わない不安がありました。
絶対に見学を逃したくなかったら、予め電話で問い合わせておくのが確実かもしれません。
B:旧住友赤平炭鉱立坑櫓にて
建屋内部
1階から見た立坑櫓の下部(上写真の奥になります)
前述の通り、旧住友赤平炭鉱立坑櫓は国内で唯一、立坑櫓の内部見学が可能とのことで、初めての炭鉱遺産めぐりに相応しい施設でありました。
ガイド付き見学でなければ立入禁止エリアが多く、もしガイド付き見学に参加していなかったら、遠目に立坑櫓を眺めるだけで物足りなさを感じていたかもしれません。
実際に炭鉱で働いていたガイドさんの体験談も興味深く、説明も聞きたいし写真も撮りたいのも相まり一人で興奮して慌ただしい見学となりました。
2階から見た建屋内部
怪談ちっくな階段
ガイド付き見学に参加した感想
当日のガイド見学参加者は、私と旦那を含めて計6名でした。
多いのか少ないのかは分かりませんが、ガイドさんの「私は勝手に喋っているので、写真を撮りたければ自由に撮ってください。」という言葉に甘えてしまい、近くで写真を撮ったり話を聞きに戻ったりとフラフラしている方が多く、写真も説明を聞くことも中途半端に終わってしまった感が否めません。
そのため、出来ることならもう一度ガイド付き見学に参加し直したい気持ちでいっぱいであります。
ふらつくきっかけとなった苔と機械のある光景(私は大の苔好き♪)
薄暗い建屋内部の窓近くにびっしりと生えた苔、上部の窓は所々割れており、立ち位置によっては雨粒が入り込み。。。
初めて体感する自然と人工物が融合したとも言える独特の空間でありました。
これが廃墟特有の雰囲気なのかしら。。。と感じたりもしましたが、閉山した1994年当時のカレンダーを残した巨大設備は、廃墟という枠には収まりきらない見事な産業遺産だと思いました。
「繁栄」の文字が寂しい。。。
閉山した月のカレンダーは、心無い人に剥ぎ取られたみたいです。。。
恥ずかしながら、私がガイドさんの説明で記憶している部分って上記のような些細なことばかりで、ガイド説明のメインとも言える設備類の解説や仕組み等は理解できなかったり、1年も経過すると忘れてしまっている部分が多いです。
最初は解説を聞き漏らさないようにと張り切っていましたが、建屋内には最初の決意を容易に崩してしまう魅力的な空間が多く悶絶してしまうほどでありました。
映画のセットみたい
メカニカルだったり、レトロだったり、わびさびを感じられるローキーな箇所が盛り沢山で、写真を撮ることで感じられる部分も大きいと思いました。
個人的には構内に入った瞬間、鼻腔を緩やかに刺激する機械油の匂いも印象的でした。また嗅ぎたい。。。
その入口となる扉!(右下の階段)
建物自体が更に傷めば、いずれは内部見学も出来なくなるのかなぁ。。。なんて思うと、とても有意義で貴重なひと時だったと思える旧住友赤平炭鉱立坑櫓でした。
立坑櫓の建屋内部の見学時間は1時間ほどでした。
C:自走枠整備工場にて
ロードヘッダ
自走枠&ドラムカッター
立坑櫓の建屋内部の見学後は休憩をはさみ、希望者は自走枠整備工場の見学も可能であります。
ガイダンス施設から自走枠整備工場は少し離れているため、車がある見学者はガイドさんの後に続いて敷地内に入る形でした。
採炭するための大型機械が展示されており、それらは強そう且つ触れると痛そうですが、とてつもなく格好良く感じてしまいました。
私は自走枠&ドラムカッターに夢中で、またしてもガイドさんの説明から離れてしまい。。。
実際に使われた大型機械類はバラして運搬し、坑内で組み立てていたという事です。とてつもなく気が遠くなりそうな作業であります。。。
自走枠整備工場の見学時間は1時間程で、予定時間よりも長かったかも。
「石炭採ったどー!」的な記念写真と雨に濡れた石炭
B:赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設にて
ガイド付き見学とガイダンス施設の館内見学をしていたら、3時間は余裕で経過しておりました。
ガイダンス施設の館内見学をするなら、個人的にはあともう1時間は欲しかったです。
坑内実測図
ガイダンス施設内に展示してある坑道を網羅した巨大図面(坑内実測図)をもっと眺めていたかった。。。
30年分を記録した図面を目の当たりにし、私も趣味のバイク写真30年を目指したくなりました。
加えて近辺にも炭鉱関連施設が点在しているため、ぢっくりと見学するなら赤平市だけで1日~2日は欲しく感じました。
赤いネオンサインの代わりに見れたもの
立坑櫓は土日にライトアップをしているようですが、残念ながら日にちも時間も合わないため、赤く光るであろうネオンサインだけでも見ておこうと建物に近付いたところ、ネオンサインは撤去されておりました。(古い情報を信じていた)
手前の四角い枠に「住友赤平立坑」の文字があったはず。
「ネオンサインがない!」と狼狽えていたら、背後からガイドさんがちょうど現れ、文字は取り外された事を教えてもらいました。
見学中は説明も聞かずに写真バカぶりを発揮していたせいか、ガイドさんの計らいで戸締まりついでに再び立坑内部と周辺の見学、加えて写真タイムまで設けていただきました。
最初の内部見学中は雨が激しかったようで、その時に利用しなかったルートを歩くことが出来ました。秘密基地の通路みたいで大興奮でした。
その後、最初の見学では行かなかったガイダンス施設の敷地内をガイドさんとお散歩してプチ見学は終了しました。たまたま戸締まりに来たガイドさんと遭遇できた事がラッキーでした。
立坑櫓は青空だったら写真的にはベストかもですが、天気ばかりはどうしようなく。
ちなみに写真タイムで撮った写真よりも、見学中に撮る写真の方が良かったりもする。
「グリーンパークしんとつかわ」に宿泊
客室からの眺望
赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設では最後のプチ見学中、ガイドさんに何度も「時間は大丈夫なのか?」と問われましたが、宿泊先を「グリーンパークしんとつかわ」にしたおかげで大丈夫でした。
ガイダンス施設から「グリーンパークしんとつかわ」迄は車で30分程の距離だったので、ギリギリまでガイダンス施設に居座ることが出来ました。
利用した宿泊プランは以下となります。(じゃらんnetにて予約)
宿泊プラン:【2食付】季節会席プラン
部屋タイプ:和室
参照サイト:じゃらんnet、楽天トラベル
「グリーンパークしんとつかわ」に宿泊した感想は、宿泊できる立ち寄り温泉施設といった印象でした。
周辺はキャンプ場やスポーツをする施設が多いせいか、チェックイン時の駐車場は車がびっしりでした。
夕食付きのプランにしましたが、食事会場のすぐ隣りに立ち寄り温泉客向けの食堂があり、宿泊した日も絶賛営業中だったので、食事時間に縛られたくない方は食事なしプランでも良さそうかと思ったり。
食事はエビが多かった印象で、甲殻類アレルギーの旦那には食べられないものもありましたが、自分はエビ大好きなのでどの料理も美味しく完食しました。
温泉は宿泊した部屋のすぐそばに宿泊者専用のお風呂があり、これが小さいながらも部屋から近くて非常に便利でした。
宿泊者専用風呂は翌朝は使用できないため、朝は下の階にある大浴場に行ったのですが、日帰り入浴者がいない時間帯だったおかげでゆったりと過ごす事ができ、炭鉱遺産めぐりではしゃいだ心と体を癒してくれました。
穏やかな温浴効果が自分好みでありました。
北海道旅行1日目はこれにて終了です。
<つづく>